木の家 高橋建築
岡山の注文住宅
創作和食料理「あたらしや」様の店舗を設計・施工させていただきました。
「あたらしや」様は、岡山市南区妹尾の県道125号線沿い、寺院建築文化の風格漂う「啓運山 盛隆寺」の仁王門前にあります。
江戸時代初期に建立された盛隆寺は、今もなお信仰心の厚い地域の方々に愛されているお寺。参詣に来られた方々も思わず足を止める印象的な焼き杉板の外観です。
大きな窓からは温かな光が華やかにこぼれ、店構えを照らす植栽越しのライトアップと相まって、柔らかな印影を生み出しています。夕闇が近づくにつれ、建物の存在感が増し、ひと際周囲の目を引いています。
京の町家のイメージにモダンさをプラス。木を炭化させる焼杉は着色された黒色と違い、深みのある墨色といった様相。近くで見ると、焼杉ならではの木の風合いを感じます。
数寄屋門が最初にお客様をお出迎え。麻暖簾をくぐって店内に入るまでもお楽しみいただけるよう和の空間を演出いたします。
樹齢を重ねた檜の長テーブルも作らせていただきました。弊社の倉庫には、どんなご要望にお応えできるように、このような貴重な材木をたくさんストックしています。
窓枠に合わせて、組子の細工を施しました。伝統的な和の柄「菱」と「麻の葉」「千本格子」の組み合わせです。
組子は、職人が膨大な手間と時間を掛けて小さな木片から組み上げる繊細な手仕事。外からの視線を適度に遮断し、外の光を取り入れてくれます。
エントランスの天井は、葦天井。個室は縦格子と障子を組み合わせた建具で、さり気なく視界を遮り、閉塞感のない程よいプライベートな空間です。
欄間はさり気なく組子細工をあしらい、引き違い戸は縦格子に、階段はスケルトン……訪れた方が圧迫感を感じないよう、細やかな工夫があります。
大きな窓はミラーガラスを使用していますので、ランチタイムは、外からは見えづらくなっています。中からは、お食事をいただきながら盛隆寺がよく見えます。
縦格子の建具で開放的な店内に、太い檜の丸柱がアクセントに。ひとつひとつの材選びは慎重に。こちらのテーブルはちょっと珍しい竹の集成材が使われています。
和の素材をふんだんに使うと強い光は吸収されるため、店内は落ち着いた雰囲気に。外の喧騒を忘れて静の空間でお食事を存分にお楽しみいただけます。
印象的な大窓は、夜になると違った表情を見せてくれます。窓越しに見える2階の勾配天井はまた違った趣があります。
数寄屋門から店舗入口までは、洗い出しで仕上げた長いアプローチ。灯籠の光が幻想的で、ささやかな時間ですが、訪れる人の心に期待が満ちてきます。